症例)耳鳴り、耳閉感、音のひびき

耳鳴り、難聴の症例解説

患者:60代 女性

主訴:耳鳴り、耳閉感、音のひびき

来院:H30年3月14日

症状:3月4日の夜に突然キーンと強い耳鳴り(左耳)を感じ、耳が塞がったような耳閉感と自分の声が反響する状態になる。
翌日、耳鼻科を受診し、突発性難聴と診断され、その日から点滴(ステロイド含む)を開始し、処方された薬を服用する。
聴力検査で4000Hzからの高音域で聴力低下がみられたが、耳鼻科での治療を毎日続け、聴力は回復傾向となり、会話も聴き取れるようになる。
ただ、左耳の耳閉感と声が反響する状態は変わらず、買い物など外出で人混みなどは耳栓がないと耐えられない。
歩行時、動き始めに左に身体がふらつくことがある。
症状発症から10日後、当院のホームページをみて、来院される。

治療内容と経過

3月14日(1回目)

【所見】

  • 指をこする音→右は分かるが、左は分からない。
  • 爪をこする音→右は分かる、左は分かるが聴きとり辛い。
  • 首肩周りの力みが強く、特に左の前頸部(斜角筋)が緊張している。
  • 脈診、腹診からは上焦(上半身)に熱の停滞がみられる。
  • 背中が突っ張り、足首から先が冷えている。

【施術】

鍼灸治療は初めてということで、緊張されている様子でしたので、初回は刺激量を軽くすることを伝え、手技での整体と手足や、首、肩、背中のツボに鍼、灸を行う。

【施術後】

左耳の耳閉感、指や爪をこする音の聴こえは変わらないが、首肩が軽くなり、楽になったとのこと。
セルフケアとして、足のツボに印をし、自宅でお灸をしてもらう。

3月17日(2回目)

初回の治療後、特にだるさもなく、楽だったということで、前回の治療に加え、耳周りに少し深めに鍼をし、耳のツボの反応点に皮内鍼を留める。
セルフケアとして、耳抜きをしてもらう。

3月22日(3回目)

前回の施術後、耳閉感が10→3になったと笑顔で話される。
雑音が大きなところだとまだ音がひびくが、自分の話声での反響が和らいだようで気持ちも楽になる。
ご自身の感覚として、耳のツボへの皮内鍼と耳抜きのケアが効いた感覚あり。
症状発症から続けていた耳鼻科での点滴は今日で終了。

【考察】

耳鳴り・難聴に対しての当院の考え方は、どの症状も同じですが身体全体のバランスを整えることを大切にしています。
身体の状態をみると、特徴として多いのは、上半身(頭)に熱が停滞し、下半身に冷えがみられます。
突発性難聴は、春先の時季に割と多くみられる症状です。
自然界でみると、春先に向けて陽気が高まり、草木が芽吹くように、我々の身体も陽気が上にのぼりやすく、うまく下へ循環できなくなると、顔面部に熱が停滞し、その方の弱い所に何かしらの症状が出やすくなります。
暴飲暴食や睡眠不足、精神的ストレスなど原因は様々考えられますが、身体をみると上半身のコリや力み、寒熱の状態をみると、上にのぼせて停滞し、下が冷えて力がないといった具合に、突発性難聴や花粉症、アレルギー性鼻炎や結膜炎など顔面部の症状は似たような捉え方ができます。

耳鳴り、難聴や花粉症に対して、患部(症状)に対しての薬だけでは、なかなか良くならないとお悩みの方は、今回の症例のように鍼灸や整体などの施術と並行し、身体を整える(余分な力みを取り、熱を循環させる)ことで、症状が改善されるケースがありますので、参考にしていただければ幸いです。

今回の症例は、初回の治療では耳鳴り、難聴の症状には効果がみられませんでしたが、当院では初回はその方の体質も考慮し、刺激過剰にならないよう心掛けています。

早く良くしようと焦ってあれこれするより、足りないくらいの方が結果的に丁度良く、施術も食事も通じるところがありますね。

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