症例8:顔面神経麻痺症状

2024年07月24日

顔面神経麻痺:症例報告

患者:30代 女性 Mさん(仮)

主訴:右顔面神経麻痺症状

来院:R6年6月26日

症状:約2週間前に右顔面部に麻痺症状発症、病院の検査では脳に異常なく末梢性顔面神経麻痺と診断を受け薬を処方される。

Mさんは中国出身で2年前に日本に来ている方で日本語があまりわからず、私は中国語はわからないため携帯電話の翻訳機での会話となった。

言葉でのやり取りは難しい中でも、「どれくらいでよくなる?」「OK」「お願いします」という言葉や表情から、ここで症状を改善したいというMさんの思いが伝わった。

【所見】

〈麻痺症状〉

  • 閉眼できるが右瞼がぐっとは閉じれない
  • 右眼は涙がでる
  • 口の動きは右が動かしにくい
  • 食事はゆっくりとなら大丈夫だが水がこぼれる

〈東洋医学的所見〉

脈は全体に沈弱、お腹の圧痛はない、背部に強い筋緊張(特に右)

〈随伴症状〉

右耳の耳鳴り

【施術】

言葉がお互いわからないため問診では深くお聴きせず、発症から2週間ということから症状がよくなる見込みが高いことをお伝えし施術に入った。

手、足に浅く単刺を行い、麻痺している右顔面部へは浅く置鍼し、右耳の後ろの反応点にも置鍼を行った。

Mさんは中国で鍼灸の体験があり、不安なく受けられたご様子。

施術後、「いいですね。」と一言笑顔で応えてくれた。

週に2回のペースで施術を進めることになった。

6月29日(2回目)

前回施術後からの経過は、右眼の周りの動きが少しよくなったが、口元はまだ動かしにくい。施術後のだるさはなかった。

施術後、眼の動きいい。6回券を購入される。

7月1日(3回目)

口元から水がこぼれるのはなくなった。イーっと口を動かすと左側口角に引っ張られる。

右瞼はまだ軸がある感じ、額のしわ寄せと閉眼は右側しづらい。

「治るの遅い?」と聞かれたので、「大丈夫。」とお応えした。

Mさんは夜から早朝まで製造業で仕事されているとのこと。

今日は施術中眠られ、リラックスできたご様子。

7月4日(4回目)

少しずつよくなってきている。(瞼の動き)

口の動きはまだ少し気になる。

7月13日(5回目)

前回から少し期間が空いたので様子が気になっていたが、「おはよう。」と笑顔で入って来られた。口をイーっと動かされ、「いい。」と額のしわ寄せもOK。

仕事の疲れで背中、右肩が辛い。

施術中、日本語で少しやり取りができた。

帰り際「バイバイ。」と笑顔がみられた。

7月18日(6回目)

調子変わらずいい。時々右瞼の上がぴくっとする。

職場のだからどうぞとおにぎりをたくさん持ってきてくださり、ありがとうございました。すべて美味しくいただきました。

【考察】

今回の症例ではMさんの回復力があったことと、施術にも前向きに短いスパンで来ていただいたことでいい経過がみられた。

Mさん、ありがとうございました。

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