症例7:腱鞘炎、手根管症候群

2024年02月22日

腱鞘炎、手根管症候群:症例報告

患者:70代 女性 Nさん(仮)

主訴:右手第1指(母指)の痛み、第2~4指のしびれ

来院:R5年12月11日 

症状:2~3ヵ月前くらいから右手母指の付け根辺りが痛む。

思い当たることはご主人さんが手を手術されて仕事で重い物を持てないので手伝って重い物を持ってから親指が痛くなった。ガソリンの給油口のキャップを回すのが痛い。

右手の手首(手のひら側)を押さえると、第2~4指にかけてビリビリとしびれる。3ヵ月前に病院で注射をしてからしびれは少し和らいでいるが朝はむくんでパンパンになっている。

手をつくと激痛が走るため、2年くらい続けているジムでの運動に行けないのが辛い。

携帯でずっと調べていて、前に一度当院を知ったが、その時はそんなにひどくなくて様子をみていた。今回親指が使えなかったら困るともう一度調べて、これは行った方がいいなと少し遠方になる当院への受診を決めた。

【所見】

ベッドに座った状態で右手をついて体重を預けると母指の付け根が痛む。

右母指を内転させる動きで痛みが誘発される。

右母指付け根の痛みがあるところの腫れ、熱感はない。

首を後屈時、動きの制限あり。右回旋、左側屈時に首の後ろ右側が痛む。

去年9月に肋骨を骨折。

〈東洋医学的所見〉

脈診:右関上虚

腹診:胃の辺り、おへその左右に圧痛あり。

首、肩回りの張り。

胃の手術後、便秘しないようにマグミットを服用。

【施術】

細身の方だが声に力があり、テキパキと勢いよく動かれ、受け応えも気持ちいい。

施術は腹部と背部の緊張を和らげる目的で手、足に浅く単刺。痛む部位は炎症を抑える目的で浅く置鍼しお灸。首の後ろに置鍼。

うつ伏せで全身やさしく手で押圧。

手首、首の調整。

最後に右母指の付け根に小さな置き鍼を2か所。

【施術後】

右手をついて体重を預けた時、痛みが「ちょっと楽。痛くない、マシ。」に変化した。

右母指を内転させる動きで「あれっ、痛くない。」に変化した。右手の指も気をつかわず動かせるようになった。

次回1週間後ご予約いただいた。

12月18日(2回目)

前回施術翌朝、「右手が違う、驚くほどよくなった。」運動も再開できていると笑顔がみられた。

右母指動かしても大丈夫。

手首を押さえると誘発された右手のしびれは、しびれの範囲が狭くなり今は第2指だけしびれる。

ご主人さんに鍼灸を勧めてくださった。(感謝)

12月28日(3回目)

年末の掃除など手をよく使い右母指から手首が痛む。

朝の手のむくみが和らぎ、握る動きがすごく楽。

手首を押した時のしびれは少し感じる程度。

鍼灸を受けだして昼寝することがなくなって、夜よく眠れる。症状だけでなく自分の身体の変化を認識されていて、言葉として伝えてくださることに感謝。

1月9日(4回目)

今朝、手のむくみ、少しこわばりがあったが痛みなく過ごせている。

ウォーキングを始めた。

着物をご自身でリメイクされた服がとてもお似合いで、カバンなども動画を見ながらご自分で作られるようですごく素敵。

調子もよさそうなので次回は2週間あけてご予約いただいた。

1月23日(5回目)

右手母指の付け根、強く押すと痛む。右肩がこる。

今朝窓掃除をしたが、痛みなく大丈夫だった。

鼻炎でつまっていた鼻の通りがよくなった。

施術を受けての感想を快く承諾いただいた。

次回もう少し期間をあけてご予約いただいた。

2月13日(6回目)

手もよく使えて、調子よく過ごせている。

手首を押した時のしびれはほんの少しわかる程度。

調子いいが1ヵ月に一度はお世話になりたいと次回1ヵ月後にご予約いただいた。

【考察】

腱鞘炎、手根管症候群の症状もひとくくりにできるものではなく、その方によって状態は様々で、家事や仕事、育児でどうしても安静にできないケースも多く、痛みをかばいながらの生活は心身ともに疲弊を伴うものと想像される。

今回の症例では初回の施術で大きくいい変化がみられたが、スムーズにいくことばかりではない。

当院では施術により痛む部位の炎症を抑え、睡眠の質をあげるなど回復しやすい環境をつくること、そして、その方の生活背景、どんな想いがあるかを知り、力になれるできる限り最善のサポートを尽くします。

Nさん、いつもありがとうございます。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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